IT
ITデューデリジェンス(ITDD)
ITデューデリジェンスでは、情報システムに対する調査を行います。事業買収後に想定外のIT投資が発生するリスクや、買収後のシステム統合にかなり費用を把握し、情報システムの評価をもとにしたIT統合計画の策定などを行います。
買収後に想定外のIT投資・コストが発生するリスクがないのか、買収対象の会社が導入している情報システムにどういう強み、資産価値があるのか、情報漏洩や情報セキュリティ対策の不備などの問題がないのか、ITシステムを統合を進める上で課題・リスクはないのかを分析します。具体的には、以下の項目の調査を行います。
1)導入しているソフトウェア
事業に利用している主要なソフトウェアの利用状況、継続利用が可能な状況かを調査します。
2)情報システム・インフラの構成
ハードウェア構成、ネットワークの状況、バージョン管理の状況、システム老朽化のリスク調査などを行います。
3)情報システム部門の組織体制
情報システム部門の組織、ガバナンス体制、業務内容、役割分担などの調査を行い、情報システムの運用保守体制、外部業者への委託状況などを調査します。
4)情報システムコスト
情報システムへの投資状況、運用保守費用、ベンダー別の支払い実績、抽出した情報システムリスクへの対応費用の試算結果などを報告します。
ITDDを行う際の注意事項は、事業移管に必要となる人員の配置や工数の見積もりをきちんと行わないために、想定外のコストが発生したり、事業移管がスムーズに行われないなどといったトラブルを如何に回避するかということです。例えば、設計図やマニュアルが整備されておらず、システム運用保守が属人的に対応されている場合、相手先の情報システムの全貌を把握することが困難になります。一般的に事業買収の場合、情報システム部門は買収の対象とならないケースが多く、目に見えない資産を如何に引き継げるかが大きな課題となります。
まずは、可能な限りのドキュメントを収集し、システム全体の俯瞰図を作成し、情報システムの資産リストを作成し、運用保守体制、工数管理などを行い、将来計画をきちんと作成する必要があります。
ドキュメントが足りない場合は、現地調査やインタビューにより、足りない部分を補うための工夫が大事になってきます。